※下記はベンチャー通信18号(2006年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
―まず、商売人に必要な心構えって、何ですか?
宗次:何よりもまず、「お客様第一主義」ですね。自分たちのことは二の次で、お客様に身を捧げる。私は、現役の経営者だった時(2002年5月31日をもって現役引退)は、社外の交友関係などは一切広げずに、常にお客様のことだけを考え続けていました。自分に期待してくれる人に少しでもお返しをしたい。だから時間も体力も無駄遣いしたくなかったんです。
経営者の中にはちょっと成功すると、初心を忘れて、社外の交友関係に目がいってパーティーにばかり参加したり、派手に遊んだりする人もいます。でも、そんな経営者は長くは続きません。本業のこと以外に気を取られてはいけないんです。お客様や取引先、そして社員のことを常に考えなければいけません。 やはり、商売の基本というのは、コツコツと地道に地に足を付けて一生懸命にお客様のために頑張ることだと思いますね。そうすれば、急激な成長はしなくても、5年、10年のスパンで見れば、ずっと右肩上がりが続くんです。また、ライバル業者などの同業者に気を取られすぎるのも良くない。ライバル会社がこうしたから、自分の会社もこうする。そんな信念の無い経営をしていてはダメです。
―最近、若いITベンチャー起業家が多いですが、宗次さんはどのように思いますか?
宗次:最近の若い人たちは幸せだと思います。いまの日本は昔に比べてチャンスが溢れている環境です。だから、そのチャンスを活かして、失敗してもいいから何でもチャレンジするべきです。やはり失敗しないと"本質"は見えないと思います。失敗していない人は、上辺のことしか見えないんです。 情熱を持って諦めずにやり続ければ、必ず結果がついてきます。やり続ける中で、社会から評価されることはそのまま継続する。失敗したことは教訓として活かす。この姿勢が大事ですね。 若いうちはさんざん苦労したらいいと思います。苦労は経験という宝になります。私も若い頃に"お金"と"人材"でたいへん苦労しましたが、その苦労が後の人生の大きな糧となりましたから。
―成功する起業家の共通点って何だと思いますか?
宗次:やはり「誠実さ」ということだと思います。誠実な人でないと、部下も信頼して付いていかないでしょう。打算や利害だけで人と付き合う人はダメです。経営者は、心と心の関係を築かないといけません。社員との関係も心と心。お客様との関係も心と心。打算や、自分中心の考え方では絶対にダメです。 他には、「謙虚さ」ですね。謙虚な心を常に忘れない。これが大事です。
―宗次さんは、自分が儲けたいなどの気持ちはなかったんですか?
宗次:はっきり言って、全く無かったです。ずっと無かった。儲けたい、成功したい、という気持ちはありませんでした。ただ人に喜んでもらいたかったんです。