幕末の関西商人

※下記はベンチャー通信4号(2002年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 

―営業は、基本的に一人でしていたのですか。

堀:いえ、金主を探す時は一人でしたが、基本的には二人で漫才営業をしていましたね(笑)。仲のいい友人がいまして、彼と二人で若さを売りに、いろんな会社に飛び込み営業をしました。ボケツッコミの漫才みたいな営業をして、勢いで相手を笑わせた。やはり自分達に興味を持ってもらわなければいけません。だからサービス精神は超旺盛でしたね。笑わせたり喜ばせたり、チケットを持って行ったり、相手に興味を持ってもらうために何でもしました。

―もし堀社長が大学時代に戻れるとしたら、いま何をしますか。

堀:もし大学時代に戻れるなら、一つのテーマを徹底的に追求すると思います。気に入ったテーマを見つけて、それを深く勉強するでしょうね。例えば、それがワインの勉強であってもいいし、自動車の勉強であってもいいと思います。何か一つに惚れ込んで、一心不乱に語れるまで極める。つまり中途半端に物事を知っているよりは、一つのことを完璧に知っている方が大事です。その方が人間の幅が広がりますよ。それと大学の授業は、全く行かないと思います。昔もそうでしたけど、今でも大学の授業が有益だとは思えません。 ―大学時代に起業しようと考えるなら、どうしたら有効だと思われますか 堀:起業に近道はありません。まずは自分の好きな分野を見つけて、自主的にその分野で実践してみることが大事です。すぐに商売にならなくてもいい。まずは好きなことを徹底的に実践してみる。そうすれば最初は遊びだったものも、徐々に仕事になって、それが起業という形になっていくものです。まず何かを実践してみて、それを発展させる。焦る必要はありません。地道に粘り強く実践して、勝ち癖をつける。つまり成功体験を積み重ねていくのが重要です。

―最後に起業家を目指す大学生にアドバイスをお願いします。

堀:まず大学4年間で人間としての『底力』をつけることです。人生は長いので、学生時代にそのまま起業するよりも、まず『底力』を蓄えることが大事です。大学4年間は、いわば自由時間じゃないですか。それをうまく使って、自分の基礎となる部分を作るのが有効だと思います。そのためには一心不乱に一つのテーマを極めて、自分の信念を確立する。そしてその信念を何があっても曲げない。どんな逆風が吹いても、絶対にやり遂げる。何度も繰り返しますが、起業に近道はありません。日々の地道な努力の積み重ねです。どんな時でも前向きに一生懸命生きる。これが起業家の第一歩なのではないでしょうか。そして、言葉に堪能になるのというのも大事です。人間は、知っている言葉の数に比例して豊かな人生が送れると思います。言葉を知っているということは、それだけその人の世界が広がるということです。  言葉とは、日本語に限らず、各国の言語も含めてのことです。外国語を何カ国語も操れる人は、それだけ多くの異文化の人々とコミュニケーションを取ることができます。言葉が通じるというのは、とても大事ですよ。日本語でも同じです。偉い大人と話そうと思えば、その大人と同レベルの日本語が話せないと、先方は相手にもしてくれません。起業家を目指すなら、あらゆる点で言語能力の向上は不可欠です。皆さんも、自分の信念を曲げずに『底力』を蓄えて頑張ってください。
  
プロフィール

株式会社サイバード代表取締役社長。1965年ワシントンDC生まれ。関西学院大学法学部卒業後、英国ロンドンに留学し、社会福祉政策等を学ぶ。しかし途中で帰国し、実家の家業を手伝う。94年インターネットとデータベース融合システム開発のパラダイスウェブを設立。98年にはサイバードを設立し、 2000年12月に店頭公開を果たした。また2001年には元アナウンサーの永井美奈子さんと結婚して、世間の話題を集めた。

 

会社概要

◆資本金/55億300万円
◆設立/1998年9月29日
◆事業内容/サイバードグループ全体の戦略策定ならびに経営管理機能、サイバードグループ各社へのシェアードサービス提供機能、統合型顧客データベースの管理・運用機能、監査機能
◆売上高/235億7,100万円 (連結 2007年3月期)
◆従業員数/ 単体65名、連結706名 (連結 2007年3月期)

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