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INTERVIEW 業界別起業家インタビュー

株式会社WiZ(ウィズ) 代表取締役社長 小林 孝道

スケールメリットを活かし、設立3年目で取引先数1000社を突破

付加価値の高い技術者を育成し、ITのアウトソーシング分野でNo.1を獲る

株式会社WiZ(ウィズ) 代表取締役社長 小林 孝道

2012年、IT分野でそれぞれに強みをもつ3社が統合して誕生したWiZ(ウィズ)。設立時から220名以上の技術者を抱えるというスケールメリットを活かし、シェアを急激に拡大。現在は設立3年目ながら、取引先数1,000社を超える企業へと成長した。会社を統合した狙いはどこにあったのだろうか。代表の小林氏に、会社設立のきっかけやビジョン、求める人材像などを聞いた。
※下記はベンチャー通信58号(2014年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

各分野に精通した技術者集団が案件に対応

―事業内容を教えてください。

 おもに3つの事業を展開しています。まず1つめは、システムの開発・構築に必要なエンジニアのアウトソーシングをメインとしたシステムエンジニアリング事業。お客さまは通信をはじめ、メーカーや銀行など多岐にわたります。2つめはモバイルネットワーク事業。携帯電話キャリアの拠点内にてシステムの運用・保守を行っています。そして3つめが、ICTソリューション事業。学校関連や自治体の案件に特化した自社ソフトを開発し、提案しています。

―システム開発やネットワーク構築を行う企業は多いです。御社の強みはなんでしょう。

 エンジニアのアウトソーシングに注力している点です。エンジニアを雇用している会社は、自社開発がメイン。どちらかというと、あまった人材を他社の案件に派遣するというのが一般的です。一方、当社は自社開発も行いますが、アウトソーシングがメイン事業だと考えています。そのため、専門的な技術に特化したメンバーや業務知識に長けたメンバーなど、各分野のプロのエンジニアが220名以上在籍。さまざまな案件ニーズに対し、網羅的に応えることができるのです。だから負けない。
 じつはこの環境は、在籍するエンジニアにもメリットが大きいのです。

―どのようなメリットでしょうか。

 自社だけでなく、さまざまな開発案件にたずさわることができるからです。配属を決める際、エンジニアの希望を最大限に考慮して案件を振りわけます。そのため、意欲的に働けるうえに成長スピードも早い。結果、エンジニアとしての市場価値が高まるのです。
 たとえば、就職活動で第一志望の会社に入れなかった学生が当社に入社したとしましょう。2~3年ほどじっくり技術を磨いた後で、第一志望だった会社の案件にたずさわるといったことも可能。実力が認められれば、その会社に転職してもいいと個人的には思っています。「付加価値の高い人材を育てる」というのが当社の理念ですから。

役職や組織の壁をとっぱらいすべてをフラットにした

―会社を立ち上げた経緯を教えてください。

 当社は2012年に、システムインテグレーション事業や自社ソフト開発などそれぞれに強みをもつ3社が統合してスタートしました。
 少ない資本金・小規模の人数で運営しているITベンチャーは数多くあります。そのなかで勝ち残っていくためには、多くの人材リソースを使い、いち早くシェアを獲得する必要があると考えたのです。

―3社を統合するうえで重視したポイントはありますか。

 全社員が、同じベクトルに向かって働ける組織をつくることです。せっかく統合しても、元の会社ごとに派閥ができたり、それぞれの幹部が別々のビジョンを語るようでは気持ちがバラバラになり、会社の成長を阻む要因になりかねません。
 そこで3社が統合した際、『スーパーフラット制度』を実施しました。代表の私以外にあえて役職を設けず、すべてフラットな組織にしたのです。それまでの経験や年齢に関係なく、全社員が横並びの状態。過去のしがらみにとらわれず、自由に意見を言いあい、コミュニケーションを活発にすることで技術や知識を共有できる風土をつくることが狙いでした。
 最初は統合した組織に慣れず、遠慮がちだったスタッフも徐々に意見交換をするように。現在では経験豊かな技術者に若手が気兼ねなく意見をぶつけるような土壌ができました。

なにもしないより挑戦して失敗してほしい

―昨年から新卒採用を開始したそうですね。どのような人材を求めていますか。

 意欲的な人材ですね。失敗を恐れてなにもしないより、思いきりやって失敗したほうが成長につながりますから。実際に今年の新卒1期生はいろいろ失敗して壁にぶつかっていますが、そのぶん成長スピードが目に見えて早いですね。
 ITの知識はなくてもかまいません。「学びたい」という前向きな姿勢があれば、夜間研修やマンツーマン指導など当社独自の制度で、どんどんバックアップします。
 また、社員が自主的にシステムや事業を開発することを推奨しています。新卒でも、いい提案があれば採用しますよ。

―今後のビジョンを教えてください。

 スケールメリットを活かすため、さらにエンジニアの人数を増やしていきます。当面は、5年以内に500名体制にするのが目標です。そして最終的には、どの会社にいっても当社の技術者が働いているような体制をつくりあげ、技術者のアウトソーシングでシェアNo.1をめざします。
 あわせて、事業の拡大も図っていきたい。現在は3つの事業が主軸ですが、今期中に新事業を2つ立ち上げる予定です。当社の強みである「IT」と「人材リソース」という軸はズラさず、どんどん事業領域を広げていきたいと考えています。

―若者に向けてメッセージをお願いします。

 当社は設立以来、3つの会社が一枚岩になるための礎づくりに取り組んできました。結果、エンジニア同士で切磋琢磨していく組織風土ができたと自負しています。今期は第2創業期として、さらに飛躍していく予定。会社と一緒に成長したいという人は、活躍できると思いますよ。
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